
途中少し雨が降るかもという予報。一時傘もさしましたが後半雨も上がり、地元の皆様とのふれ合いが心に残る例会になりました。
今回のコース:近鉄朝倉駅 →→ 2号公園 →→ 忍坂坐山口神社 →→ 鳥見山霊畤 →→赤尾崩谷古墳 →→ 桜井木材協同組合 →→ トンボ玉工房・きりん →→ 宗像神社・宗像会館 →→ 桜井茶臼山古墳→→保田與重郎生家→→ 大願寺 →→ 正覚寺 →→来迎寺 →→ 桜井町道路之標石碑 →→妙要寺→→近鉄桜井駅(解散)
最初に訪れた忍坂古墳群の8号古墳は、橋本さんによると6角形の石室が大変珍しく、辺りに集中している渡来系古墳の一つのようです。
忍坂坐山口神社では室原さんが待っていてくれました。山口神社というのは宮殿の用材を切り出す山の入口にある神社で、小さいながら、今も天皇の祝詞に登場するほど由緒のある神社だそうです。
今回の見所の一つは、この山口神社のクスノキ。吉堂さんによると幹回りが約8mあり、樹齢は約600年。二代目のクスノキで、初代は室町時代の1397年京都北山に金閣寺を建てる際、一枚板の天井板用として供出されたとか。


今回から新しいスタッフ今西さんが参加してくれました。森の木を扱うプロの方です。商売になる木は詳しいけれどそれ以外は「雑木」でしかなかったので、一緒に勉強をと謙そんしておられますが、鳥見山に上る途中では、長く手入れされていない桧の人工林を見て、「このままでは全部の木がやせ細り、やがて地崩れが起こる」と、間伐の大切さを教えていただいたのでした。
霊畤(れいじ)というのは、「まつりのにわ」という意味です。仲間に腰を押してもらいながらなんとか鳥見山山上にたどり着いた島岡さんが解説します。ここが、神武天皇が即位して最初に行った祭りごと、大嘗祭の会場となった場所という伝承があるのだとか。


鳥見山を下りる途中雲行きが怪しくなって、桜井木材協同組合の貯木場で抜井社長のお話が始まったとたん、強い雨風になり、急きょ事務所で雨宿りがてらお話をしてもらうことになりました。
桜井は良質な地場の木材の町として栄えましたが、今は外材が75%。全国的には85%が外材。それを自給率50%にまでもっていこうというのが国が掲げる現在の目標とか。大地震で日本の山林の役割は建築だけではないことがよく分かった。地震にも強い日本の木で復興の家を建てる方向でがんばりたい、と力強くお話を結ばれました。。


お昼のお弁当を広げる場所は外山(とび)の宗像神社(むなかたじんじゃ)に隣接する宗像会館でお世話になりました。外山はネイチャートークでお馴染みの新井博子さんの地元です。会館のすぐそばに夫君の新井克仁さんが主宰されているトンボ玉工房「小さなガラス細工の店きりん」があり、昼食後克仁さんからガラスの歴史などのお話も聞きました。
博子さんもすぐ近くで地域ボランティアの拠点「彩雲広場」を主宰されています。この日のためにボランティアの皆さんが「彩雲広場」のおめかしとハーブティを用意してくださっていました。なのに、あいにくの雨。散会後、雨も上がっていたのでおめかしの写真を撮らせていただきました。




茶臼山古墳への道中尾上さんから「コンニャクの花が咲いているよ」と教えていただきました。花が咲いてしまうと、花に養分をとられてコンニャクイモはだめになってしまうそうです。
茶臼山古墳では、橋本さんから天皇陵とはされていないため内部まで確認できた大王級墳墓の詳しい話を聞くことができました。
一昨年の再発掘で発見された、石室真上の墳丘頂部の巨大な丸太垣跡は結界?つぼ型埴輪はどのように並んでいたと考えられるか?等々、大きさ位置関係を身振り手振りでの説明に皆の想像力がふくらみます。


保田與重郎生家のことは、朝の忍坂坐山口神社で、室原さんから聞いていました。文芸評論家として46巻の全集を持つ昭和文壇の巨人。昨年、生誕100年を記念して生家の前に「保田與重郎生誕地」の碑が建てられました。
大願寺では、ちょうど鬼瓦の見本が並んでいて大脇先生からいつもの愉快な解説です。一つ何十万円もするものがあり、葺きかえるときも焼きなおすと新品同様になるので再利用することもあるのだとか。


その他本町界わいには味わい深いお寺が多いです。じっくり散策してみる価値は十分あります。
桜井町道路之標石碑のあたりは、ちょっと昔までは賑やかな町の中心やったんやで、とかたわらのお花屋さんツジモトの母娘が話してくれました。桜井本町ではシャッターの閉まった店が多い商店街をもう一度活性化させようと、今回見て歩いた伊勢街道沿いの伝統的な町家などの地域資源を生かした観光ルート開発などの取り組みが始まっています。そんなまち起こしの空気にもふれることができて、有意義な例会になりました。




<本日の解説陣>
郷土史家の室原慶和さん(歴史、文学)
近畿大学文芸学部教授の大脇 潔さん(考古学)
市立埋蔵文化財センターの橋本輝彦さん(考古学)
郷土史研究家の 島岡 吏さん(歴史)
森林インストラクターの 新井博子さん(自然)
奈良植物研究会の 尾上聖子さん、吉堂 求さん(植生)